これが、地方国立大学助教の研究費だ!

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ただいま,病気休暇中ではありますが,卒業研究発表や年度末の業務のため出雲国大学に出勤しています。学科長さんとは来年度の勤務形態の相談なども行いましたし,昨日は土曜日にもかかわらず,いつもお世話になっている学部長さんとバッタリ出くわしました。

さて,今回の重要な任務のひとつとして予算の管理があります。病気休暇などのため計画が食い違ってしまいましたし,さらには私の愚策でうまく使えていない予算もあるのです。岩手にいる時は予算執行できません。なので,今回の出張で予算執行をするのです。

突然ですが,これがとある地方国立大学助教の平成29年度研究費です!もちろん,私の例です。どなたかの迷惑になりそうな予算項目は一部墨塗しています。

上から2行目までの予算が大学から自動的に割り振られる予算。しめて17万円ほど。大学からもらえる予算だけだと,江戸に3回行ったら終わりですね。レッツノート一台も買えません。これで研究者といえるのか。。。ランニングコストのかかる実験装置を持っている場合は,もちろんこれでは維持できません。高額な消耗品が必要な研究分野では研究の中断もありえるでしょう。

大学教員の研究費については,多くの方がさまざまな意見を主張しています。

しかしまあ,文部科学省のデータはどうも違和感が。。。

今年度については,棚ぼた的な予算が47万円ほど付きました。現在,病気休暇中の身なので,もらうのは気が引けましたが学生のために使いたいので堂々受領。同僚のみなさま,すみません!

その他の費目は,すべて自ら引っ張ってきた予算です。いわゆる科研費と間接経費,学内の競争的予算や寄付金。何もしなかったら得られなかった予算です。助教という最下層の身分では,マシとも言える一方,いつまでも続く予算ではないので研究活動は綱渡りです。

私の研究分野である福祉情報工学は,あまりお金がかかりません。大きな装置を作り出せば話は変わりますが,装置がPCベースであればたかが知れてます。また,私は比較的講演などが多く,旅費を先方が出してくれることもあります。便乗して調査研究もできるので旅費を節約することも可能です。結果として,幸か不幸か研究費に困ったことはありません。

みなさまは,この地方国立大学助教の予算環境についてどうお感じでしょうか?少なくてかわいそう!意外と多いね!など様々かと思います。予算については度々質問を受けますので,思い切って公開してみました~。

(捕捉)
予算付けは,同じ大学でも学部や学科で大きく異なります。大学が変わればなおさら。あくまでも,私の場合ということでご理解ください。

 

これが、地方国立大学助教の研究費だ!” に対して1件のコメントがあります。

  1. 貴学の卒業生です より:

    突然のコメント失礼します。ブログ拝見させて頂きました。
    確かに地方国立大はどこも自転車操業状態で、私の在学中も
    恩師や他の研究室の教員からもこの話は出ていたと思います。

    研究における分野の幅や質は必ずしも研究費に左右されると
    は限りませんが予算が潤沢であることにこしたことは無いと
    思います。

    私は在学中、貴学で電力系統や送配電の研究に取り組みたか
    ったのですが、生憎その研究室がなく残念な思いをした記憶
    がございます。

    そのような学科の研究分野のバリエーションが狭まっている
    (ように感じる?)のもこの研究費の減少と因果関係がある
    のでしょうかね。

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