ペイ・フォワード2:参加対象はできるだけ広く!

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「対象者は一般の方も含まれますか?」

これは,講演を依頼されたときに,担当者とやり取りする最初の内容です。
ある組織内での講演の場合,定例の研修など,義務的なものであることが少なくありません。
そういった場合,総じて聴講者の参加に対するモチベーションは低いものです。

その上,「タダでも可能でしょうか?」というのではさすがにキレます。
大学教員は,講演活動などは仕事のうちと考えている方もいるのかもしれませんが,大学での手続き&業務内容から考えてもそうではありません。

私は助教という最下層の教員ですし,足元を見られているのかもしれません。
それはいいとしても,赤字での講演を行うにはそれなりの要求をさせてもらいます。
「一般の方も対象にする」と「その模様のネット公開するかも」ということです。
これを渋るような場合は,しっかりコスト分はいただく方針にしています。

私のミッションは重度障害者の生活環境を「テクノロジーを少し使って社会をよくする!」ことです。
それには,すそ野を広くしなければなりません。
どこかの組織の構成員だけが対象という,クローズドな枠組みで活動することは最大限避けたいと考えています。
私自身にとってよい経験になると判断すればその限りではありませんが,その場合もいずれ「共有」の対象になるでしょう。

私からの一連の要求について,傲慢で高圧であると感じる方もいるかもしれません。
しかし,「共有」して社会に知識や経験を放流してペイフォワードな循環にもっていくには,多少のエネルギーをかけて意図的に行う必要があるのです。
そのため,ある程度の摩擦が生じるのは仕方がないでしょう。

また,「そのうち,伊藤さんを呼びたいと考えいますのでよろしく!」というのも私を悩ませます。
友人と「そのうち温泉でも行こうね」とはそもそも違うのです。
こちらの記事(ペイ・フォワード:「公開」と「非公開」の渚)にも記載したように,何かしらの情報を提供できるようになるまでには,かなりのコストがかかります。
重度障害者向けの活動というのは,社会的にはニッチな分野ですのでなおさら。
講演に行くのは予定の調整や当日の動きも含めてそこそこの労力が発生しますしね。
そんなこともあり,リップサービスでの「いつか呼びますね〜」は困ったものなのです。

偏屈なデブですが,今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m

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