【補足】山陰中央新報の読書バリアフリーに関する記事へのコメント
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2023年8月7日付けの山陰中央新報に「芥川賞受賞会見で共感 読書バリアフリーすすめて 障害でも紙の本気軽に 島根の当事者訴え」(無料登録で読めます)という記事が掲載されました。最後の部分に私のコメントが載っていますが、ちょっと追加説明が必要そうなので、ここに補足します。
ちなみに、記者さんは、限られた文字数で十分伝えてくれています!
「巡り巡って~」の補足です。
健常者にとって「障害」というと、ほとんど無関係のように思うかもしれません。たとえば、バスや電車のような公共交通機関の利用時に、車いす利用者の乗降のために出発が遅れてイライラしてしまう方がそういうケースでしょう。
この世に生まれてからどんなに健康に生きていても、人生の終盤では障害者になる可能性は極めて高いです。少なくとも、老化すれば肉体は衰え、若いときのようなパフォーマンスは望めません。
病気になれば障害者へ一直線ですね。
人間の致死率は100%ですから、突然死以外であれば、死ぬ前には何らかの病気になます。病気になれば、少なからず生活上の制限がつきまとうことでしょう。不便で理不尽な環境を受け入れて暮らすことになるのです。
つまり、これは、今の「障害者」の生活に他なりません。
人生の終盤では、発信力も行動力も低下していることでしょう。自分が体験している世の中の不具合を、多数派の人々に伝えることさえ難しくなります。世の中の中心である「健常者」に、自分が感じている困難な状況をわかってもらえないのです。
これは形をかえた「アリとキリギリス」。
「健常者」のうちに、世の中をよくしておいて、将来に備えるのです。想像力や行動力で、どんな人でも暮らしやすい世の中を作っておけばいいのです。
「情けは人のためならず」ともいいますね。