【反面教師】与えすぎて逆に奪ってしまっている_| ̄|○
Views: 333
教員の端くれとしてのキャリア、過去にさまざまな開発経験から思うことがあります。
熱心な教えすぎは、かえって学ぶ機会をすっかり奪ってしまうということです。
やや一般化すれば、「与えすぎて奪っている」と言いかえることもできます。
双方に悪気がないのがやっかい。
教えすぎてしまうと、相手はそれが当たり前になり「教わればいいや」「聞けばいいや」となりやすく、しまいには思考停止に陥ります。
教わること、聞くこと自体は悪くないものの、失敗を繰り返して学ぶことがほんとうの実力になるので、手軽に解決策を手にしてまうのは長い目でみえれば得策ではありません。
教える方にも落とし穴があります。
どうしても、教えるのが好きな人は、教えること自体に快感をおぼえてしまうのです。「おれ役立ってるな~」って。
ある意味で、自己満足といえる状況です。
大学などでは、TA(ティーチングアシスタント)や若手の教員がそうなりやすいですね。最下層の教員の私が言うのもなんですが。
短期的には、「教えて楽しい×教わって助かる」は好循環のようですが、長期的にはお互いを利用し合っている状況に他なりません。
つまるところ、愛のない関係なのです。
私が心がけているのは「教えすぎないこと」「試行錯誤する時間を与えること」。
ゴールを設定するところまでは伴走し、最低限のノウハウまでは共有しますが、それ以降は時間がかかることはわかっていても本人に任せます。
世の教え魔はこのバランスを大きく崩して、自己満足の「教育」を続けてしまいます。
その結果、教わる方は「聞けばいい」となり、ほんとうの実力がつかないまま表面的な知識だけが増えることになります。わかった気になる状況です。
「かわいいこには旅をさせろ」とはよく言ったもので、その真理は今も、きっと将来もかわることはないのでしょう。
私のもとでしっかりがんばった学生たちは、すごい勢いで活躍しています。年収も高いよう。
と、今年度の優良教育実践表彰を獲得したワタクシがエラそうに主張いたしました。