【感動こそが人を変える】ハートネットTV・視線でバトル!~重度障害児の eスポーツ~
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ここ数年、私の大学での活動は「重度の子どもたちのできるをふやす!」をテーマにやってきました。
その中で「わかっていることがわかると、まわりが変わる!」という現象にたくさん出くわし、多くの喜びの涙を目の当たりにしてきました。
今回、2月23日に放送されるハートネットTVは、ただのゲーム大会のドキュメントではありません。それは、以下の概要を読めばわかります。
去年11月、重い障害のある子どもたちが目の動きを使い、オンラインで対戦するeスポーツ大会が開かれた。視線をパソコンのマウスのように使う「視線入力」の技術を使い、全国各地から参加した子どもたちが熱戦を繰り広げた。これまでは「できない」と思っていた本気のバトル。技術の進歩によって可能となった重度障害児同士の真剣勝負に家族も大興奮!大会を通じて生まれた人とのつながりや子どもたちの成長を見つめる。
https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/heart-net/1990/
そう、「本気のバトル」「人とのつながり」や「成長」が重要な要素として、番組に織り込まれているはずです。観ていませんが。
これまで、重度障害のみならず重度重複障害のある子どもへの取り組みにおいて、「自力」をアシストして生活を楽しく豊かにするための道具や方法は極めて限られたものでした。
多くの現場では、医療的なケアや読み聞かせ以外は何もできなかったと言っていいでしょう。
いろいろ現場を見てきた結果、少なくとも私はそのように感じました。
2014年にローコスト視線入力装置と出会い、EyeMoTシリーズを開発し多くの子どのもの成長や生活の楽しさをアシストすることができました。
それは今も好循環の中で継続しています。やはり、需要があるということなのでしょう。
番組で取り上げられる「対戦ぬりえ」は、スタンドアロンで動作するゲームとは違い、どこかの誰かと遊ぶオンラインゲームです。ルールは人類最高水準にシンプルなもので、重度重複障害があっても、画面に目を向けていればゲームは成り立ちます。
そう説明されると、こう思う人もいるでしょう。
「これって視覚刺激や聴覚刺激などの反射であって、ゲームはやっていないよね?」と。
イグザクトリー、そのとおり。もちろん、重々承知です。
ただ、考えなければいけないのは、この子たちには、これまでそんな環境さえもなかったということです。特に離れた人と「ガチンコでバトル」を行うことなど誰もやってこなかったかもしれません。
いわゆる神の手で、他人が「やったことにする」はたくさんありますが。
そして、私はたくさんの例を目撃してきました。
どの専門家や教諭も「この子はわかってない」と断定しているのに、情熱のある支援者が繰り返しEyeMoTシリーズ等を取り組むことで「画面を選択的に見るようになった」「他人が見ても顔つきが変わった」はたまた「周辺で起きていることに関心を持つようになった」という現象を。
もう枚挙に暇がないのです。
脳性麻痺者のCVI(大脳製視覚障害)が訓練により改善する例が公になっているように、上記例もそれに当たるのかもしれません。
- 重度重複障害児の「見えていない」にも希望がある!かもしれない (2020年12月1日)
番組中で出てくる子どもたちが、すべてゲームを能動的に操作できるとは思いません。家族たちが盛り上がりすぎという面もあるでしょう。
でも、それでいいのです。
まずは、まわりの人(支援者)が「感動」することからすべてが始まります。
感動こそが人を変えます。
私は生きられる限り、感動できる土俵を作っていきたいです。
生きられる時間は、そう長くないかもですしね。
みな、寿命はあります。
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