悪魔に魂を売った男~2011年6月5日のサーバーダウンインシデント~
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2011年6月6日の朝,事務職員から断末魔のような叫びが。。。
すべての事務システムが使えないというのです。
それでは,業務がまったくできません。
サーバー室が冷房の故障により55度を超える室温となり,20台近くのサーバーが停止。
当時私は,前任校の一橋大学で情報基盤センターという大学内の情報システムを管理する部署に所属していました。
担当は事務システム。
普段はエキサイティングな部門ではありませんでしたが,この日ばかりは最大級にエキサイティングな一日となりました。
その顛末は,せっかくなので泥臭い論文にしました。
当時は,東日本大震災の影響で節電が急務とされ,大学でも対応を求められていました。
私は,その一環でサーバー室の温度とサーバーの温度を計測して,最適な冷房温度を決める実験を始めていました。
屋外やサーバー室に有線・無線の温度計をいくつも設置して,同時にたくさんのスポットを観測できるようにしたのです。
そして,運が悪いことに温度計を設置してわずか数日後に冷房の故障が発生しました。
それにより,サーバー室はサーバーの排気により高温状態となり,その結果たくさんのサーバーが停止してしまったのです。
私は疑われました。
データを取るために,あえて冷房を止めたのではないかと。。。
そんな,悪魔に魂を売った男を見るような目で事務職員に見られたのです(うそです)。
実際はゲリラ豪雨により冷房の室外機が故障していたようでした。
結果的には,おもしろいデータも取れたし,今となってはいい思い出です。
でも,初夏になるとあの時の血の気が引く瞬間を思い出すことがあります。
トラブルも前向きに捉えれば,自分では思いつかない予想外の現象として,おもしろく活用できます。
そんな事も学んだ一件でした。