田中一村とアダンの実
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パイナップルのようなこの固い実は「アダンの実」というらしいのです。
今の時期は緑ですが、夏はオレンジ色だとか。
こんなに存在感があるのに食べることができないとは、なんとも罪深い実。
でも、奄美の海にはよく似合う、きちんと立ち位置を心得た、実に賢い実なのです。
今回の講演旅行の中で、ALS協会鹿児島支店の里中さんから「田中一村(いっそん)」という画家について教えてもらいました。
そして、されるがままに美術館にも連れて行ってもらいました。
この一村さん、いわゆる「不遇な一生」だったのは宮澤賢治と共通しています。
でも、彼らの残した作品は確かなものです。
だからこそ、今私たちが知ることになりました。
彼らが教えてくれるもっとも大事なこと「他人の評価を当てにした人生ほど虚しいものはない」。
人生に課題があるのなら、自分だけに与えられた宿題をきちんとこなすことが大切であるはず。
それは他人に評価される性質のものではありません。
一村さんも迷いはあったことでしょうが、最終的には生き切ったのだと感じました。
5年間大島紬の工房で働いて3年創作するという繰り返し。
今の時代でなくても誰もが反対する生活。
それでも自分の人生を信じて生き抜いた一村さん。
だからこそ、後世の人々の心を大きく揺さぶるのでしょう。