(1of2)ALS/MND国際連合にて岡部宏生さんが発表
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日本ALS協会のALS当事者岡部宏生さんが,
International Alliance of ALS/MND Associations 2016 in Dublinにて口頭発表いたしました。
この会議は,世界中の神経筋疾患の患者会等が集まって各種情報を共有するものです。
100名ほどの参加者のうち,人工呼吸器を装着して参加した患者当事者は岡部さん以外に2名ほどでした。
若いヘルパーと楽しそうに参加しているのは岡部さんくらいなもの。
他国の方は,(おそらく)ヘルパー制度の関係で,個人的に雇用していると思われる「使用人」を従えての参加です。
当事者の参加は10名程度ということもあり,岡部さんはそこにいるだけで,日本の重度障害者支援制度のオリジナリティを十分に示すものでした。
口文字によるコミュニケーションは各国の人の興味をそそるものになっていたようです。
他国では,人工呼吸器を付けてまで延命する方はごく一部なのでなおさらでしょう。
極めて障害の重い人が社会参加を維持するにはどうしたらよいでしょうか。
自分で呼吸ができず,歩くことも食べることも,そして排泄することもできない人が,どうしたら健常者中心の社会の中で生きていけるでしょうか。
ALSという病気は,健康な人からしたら信じがたく耐え難い状態へと,強制的に身を置くように迫ってきます。
そのような状況で,どっこい生きている人が日本には大勢います。
おそらく,そのバリエーションはどんな国よりも豊かでしょう。
特別なお金持ちでもなく使用人が雇えない人でも,しっかり生きることのできる環境が日本にはあります。
もちろん,簡単にというわけではありませんが,実に楽しげな生活を営んでいる重度障害者がいる国が日本です。
ここで忘れてはいけないのが,それを支える制度を構築してきた先人たちの努力。
先人たちは,患者当事者であったり,役人や民間の活動家たち。
日々の介護や喀痰吸引の問題は,人工呼吸器利用者には生死に直結するものです。
介助者にとっては人生そのものにも関わるものでしょう。
先人たちは,制度改正をひとつひとつ重ねていき,現場でのエビデンスを整理して現在の環境を構築してきました。
アソシエーションの全2日間の日程のうち,岡部さんの発表は1日目。
タイトルは"Beyond Awareness Gaps"(認識の壁を超えて)。
常識にとらわれない自由度の高い生活について,動画を交えて発表いたしました。
代読者は,一橋大学大学院の安達さん。148cm。
ちっこいのに頼もしい英語力ですね。
発表のカットなし動画は以下です。
後日,日本語のスクリプトもアップする予定です。
発表のスクリプトはこちらです。
(2of2)ALS/MND国際連合にて岡部宏生さんが発表
本日から,学術会議となる 27TH ANNUAL INTERNATIONAL SYMPOSIUM 2016 です。
遺伝子治療からコミュニケーション技術まで,幅広い発表がそろっています。
参加者は1000人くらい??
大きな会場が人でいっぱい。
私は明日の夕方の発表です。
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