身近になった視線入力装置
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視線入力装置は珍しいものではなくなりました。
つい1年前まで、高価であるがゆえに持っていること自体がステータスでした。
しかし、この一年でもはやマウスやキーボードと同等となりました。
これからは、何に使うか、どう効果的に使うかが重要になります。
以下に、2大激安視線入力装置を挙げます。
THE EYE TRIBE
https://theeyetribe.com/
視線入力装置の価格破壊をもたらしたベンチャー企業の製品。
かつてはフリーの視線入力ソフトウェア ITU GazeTracker を開発していたチームによるもの。
Tobii EyeX
http://www.tobii.com/ja-JP/eye-experience/eyex/
Tobii社の開発版視線入力装置で、主にゲーム用として使われることを想定している。
「開発版」というのは、ソフトウェア開発に用いるためという意味。
ただし、世界を見渡せば多くのエンドユーザーが実用している。
実用上の精度は、150万円のTobii C15と遜色がない。
設定価格は THE EYE TRIBE に追従したと思われる。
あとはソフトウェアです。
ここでは、福祉用、つまり主に意思伝達などに使えるソフトウェアを挙げます。
現在、実用に耐えるものは国内外で以下の3つです。
入手先と特徴を簡単にまとめておきます。
GazeSpeaker(海外製)
http://www.gazespeaker.org/
シンボルベースのコミュニケーションが行ないやすい。
「Yes / No」のみのパネルもあり、精度の低い視線入力にも対応可能。
最大の特徴は、オリジナルのシンボルや文字盤を作ることができる点にある。
文字入力に依存しないコミュニケーションに最適。
ただし、日本語対応は今一歩。
* Tobii EyeX および THE EYE TRIBE に対応
Click2Speak(海外製)
http://www.click2speak.net/
ALS患者自身が視線入力ソフトで作った視線入力ソフト。
主に視線によるWindows操作を目的にしており、視線マウスおよびソフトキーボード環境を提供する。
最近のアップデートで、50音パネルが追加された。
* Tobii EyeX および THE EYE TRIBE に対応
HeartyLadder(純国産)
http://heartyladder.net/xoops/
言わずと知れた、フリーの意思伝達ソフトウェア。
視線制御ソフトウェアであるHeartyAiとの連携により、視線による文字盤環境を提供する。
また、スイッチ入力と組み合わせることで高速文字入力を可能にする。
HeartyAiのみでも視線マウスのような使用も可能に。
* Tobii EyeX に対応
以上、主に福祉利用の切り口から視線入力の現状をまとめてみました。
(サイト内関連リンク)
- 視線入力の学習曲線
- 視線入力装置の可能性
- 視線入力装置と視線用ソフトの対応関係
- 視線解析ツール「EyeProof」
- 視線入力訓練ソフトウェア「Eye Mot」RC版テスト
- Tobii EyeX Controller で遊べる視線対応ゲーム
- (Web版)HL & EyeX導入マニュアル
- ALS患者さんによる視線入力ゲーム(Tobii EyeX 使用)
- Tobii EyeX & スイッチ で文字入力とWeb閲覧
- Tobii EyeX Controller で遊べる視線対応ゲーム
(参考)
miyasuku EyeCon(視線マウス・開発中)
http://www.miyasuku.com/
純国産の視線マウスおよびソフトウェアキーボード。
視線による環境制御装置との連動も可能。
* Tobii EyeX に対応
myGaze (視線入力装置)
http://www.helpkidzlearn.com/…/inclusive-eyegaze-foundations
海外では教育現場における導入例が多数ある。
日本国内ではあまり馴染みのない装置。
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