人工呼吸器をつけたエベレスト登山者
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琵琶湖県のSMA1型のあかりさん,人工呼吸器をつけながら有料の夢の国へ!
お母さまと友人2人の合計4人での上京。
1日目にディズニーランド、2日目ディズニーシーを満喫しました。
私は2日目,偶然近くにいたので思い切ってアフター6で合流。
埼玉での用事が終わった後,レッツ・チャットでつづった「いとうせんせい、いっしょにしょーみましょう」の写真がメールで送られてきたのです。
まさか,この日ディズニーCに行くことになるとは!
ここって,何週間も前から楽しみにして行くことろなのでは??
何だか申し訳ない気持ちで入園。
薄暗い中,アラビアンコーストで落ち合ったあかりさんは,パーク内のどんなコスプレイヤーよりも本気の出で立ち。
シールタトゥー・ネイル・角のカチューシャや熊のぬいぐるみ(名前不明)など装備。
愛用のストレッチャーを母艦に,人工呼吸器と積めるだけのバッテリー,レッツチャット・iPadとPPSスイッチ。
さらには,自動吸引器にカフアシスト など。
もろもろの消耗品も含め,ストレッチャーにめいっぱい生きるための道具を積み込んだその姿は,まるで未踏の地へ赴く冒険者。
実際,冒険者に違いなのです。
お母さんは「あかりが赤ちゃんの時は,下の売店に行くだけでドキドキでしたよ~」とお話していました。
人工呼吸器をつけて間もないころ,電源から機器を外して移動するのは相当な勇気が必要だったのでしょう。
さまざまな工夫,努力と勇気で在宅生活に移行し,じきにお買い物にも行くようになり,それが今では甲子園にも頻繁に観戦に行き,ディズニーランドにもこうして遊びに出ています。
未踏の地がどんどんなくなっていきます。
でも,人は言うでしょう。
「あの人だからできることだよね。」
「みんなができるわけじゃないしね。」
「行けない人のことも考えてほしいわ。」
確かに,今回のあかりさんの同行者はこれ以上ないほどの陣容。
あかりさんが赤ちゃんの時からよく知っている方々です。
また,移動や宿泊にはお金もかかりますしね。
ホテルの設備は?同行者にかかる費用は?何かあったらどうするの?
などなど,さまざまな課題・困難がありますから,多くの人はあかりさんのようにはできないでしょう。
今回のあかりさんは,いわばエベレスト登山者のようなものです。
誰もがそれをできるわけではありませんが,人間の持つ可能性を示し,多くの人に勇気を希望を与えます。
そして,あとに続く人がどんどん出てくるのです。
今ではエレベスト登山はめずらしくありませんが,それも最初に登っている人がいるからこそでしょう。
「なぜ,あなたはエベレストに登りたかったのですか?」
「そこにエベレストがあるからさ。(Because it's there. )」ジョージ・マロリー
もしかしたら,宇宙飛行士かもしれませんね。
たくさんのスタッフ,機器や費用は必要ですから。
宇宙旅行はまだまだ誰もが行けるわけではありませんが,安全に行けることは分かりました。
最初は命がけで宇宙にいった飛行士がいるからこそ今があります。
あかりさんはやりたいことをやりました。
ほんとうは当たり前のことです。
重い身体障害がありながら普通のことをしたことは,次に続くSMAっ子に希望を与えることでしょう。
世間で多様性が叫ばれる中ではありますが,人工呼吸器ユーザーはまだまだ社会に出にくい状況があります。
あかりさんは,仕事でもなく,講演で誰かに呼ばれたのでもなく,行きたいから行くという当たり前のことをやりました。
ディスニーシーの暗い園内を疾走する重量級ストレッチャー。
私にはまるでブルドーザーのように,グリグリザクザクと道を切り開いているようにも見えました。
同行した方々は,大変そうでしたが。。。
それでもあかりさんはこれからも好きなことをし続けていくはず!
次は海外旅行かな?
レストランでカフアシスト中。
レッツ・チャット,頑張っておりました。
夜のディズニーCはきれいですね。