導線と重力と放射能
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引力と重力の違いを中学生の時に理科の先生に聞いたことがあった。
その答えとは、「地上なら重力、惑星同士なら引力だよ」というもの。
その後、高校生になって物理を習うと、地上での重力は遠心力を引いたものであることに気付いた。
もし、地上の引力>遠心力 なら地上に立つことはできないが、そのようなことは地球には当てまらないし、遠心力の影響は引力に比べれば小さいので実質的には無視できるものである。
中学生の知的レベルに対してはまっとうな答えであった。
それと同様に、小学生の頃「導線の太さに関係なく流れる電流は同じ」と習った。
小学生が扱う電力を考えれば、電気を使ってもせいぜい電池くらいなわけで、この習った知識でも問題ない。
それが高校の物理になると、「導線の太さにより、流すことができる電流に違いがある」ときた。
公式まである。
結局、人の知的段階によって知っておいてよい知識というものにも制限が掛かる。
いや、制限が掛けられていたわけだ。
それは当然のことであり、必要な段階に達していない人に、無用に高度な知識を与えてもその意味を理解できずに混乱してしまうだけである。
さて、今回の原発災害は大枚はたいて開発したSPEEDIによる放射能飛散予測を公開しなかった。
政府の主張としては「国民が混乱するから」。
なるほど、国民は政府の人間よりも程度が低いということである。
国民の生きる権利は政府の人間も誰も彼も同じ程度有しているはずである。
小学生が導線の太さによって流れる電流に違いがあったとしても人生に影響はない。
一方、放射能は人生に大きな影響を与えるものだ。
政府のみなさん、国民を馬鹿にするのはいいかげん止めて欲しい。