タマ無し!異常無し!
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狩猟免許試験のため,出雲国は石見銀山のある大田市(おおだし)農林大学校へ。
私は過去に狩猟免許を取得したことがありました。
が,取得数年後,無用な殺生を避けるために手放しました。
かつて狩猟を行っていたある日,朝一の獲物はかわいいスズメでした。
私の自動銃から放った口径12番の7.5号弾は,あの小さなカラダに命中。
あんなにかわいいスズメのまなこが,名実ともに死んだような精気のない,見ようによっては恨めしそうに見えたのです。
狩猟期は食肉を買わないようにして,狩猟で奪った命と帳尻を合わせているつもりでしたが,この経験は後味の悪いものとなり,この年度,狩猟免許の期限をもって返納としたのです。
それから数年,出雲国に来てからは,害獣の被害が少なくない現状を知るなり,少しは力になるべきかなと考えるにいたりました。
もちろん,罪のない動物を撃ち殺すのは気が引けます。
ただ,害獣駆除で得た肉を食するというのは,家畜を食することと本質的にはそう変わりはありません。
今現在困っている人間を助けるのも一つの選択肢と考え,今回の狩猟免許試験となりました。
狩猟試験の内容は大きく分けて以下の3段階に分かれます。
- 法令等の筆記試験(30問)
- 鳥獣判別(16問)
- 実技(射撃動作・団体行動など)
いずれも,きちんと対策すれば難しいものではありません。
でもやっぱりジワジワきてしまうのは「実技」です。
銃砲所持に係る試験では,安全は最重要とされ,試験会場の模擬銃でさえも人に向けたり水平に構えたりしたら即不合格。
狩猟免許における,実技試験でもそれは同様です。
実技試験では,猟銃に弾が装填されていないことを確認する動作を,大げさなくらいに行なわなければなりません。
機関部を開放して,「タマ無し!異常無し!」とハッキリ発声する必要があります。都合4回も。
タマが無いのは異常(異状)だと思いつつ,猟銃を真顔で操作しないといけませんから,結果としてはけっこう難易度の高い試験です。
他の人はそんなことなど思っていないようでしたが,真面目そうな紳士が「タマ無し!異常無し!」とのたまう姿は,やっぱりジワジワくるのです。
狩猟期は11月15日から2月15日。
今年,私は狩猟者登録するのでしょうか。
まだ決断できておりません。