嗚呼「させていただきます。」症候群
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学生の話を聞いていると「~させていただきます。」がやたら耳につきます。とりあえず「いただきます。」って言っておけば丁寧な感じってことでしょうか。
嗚呼,ブルータス,お前はどこまでへりくだるんだってことです。
外部からのメールでも「いただきます。」を使う方は極めて多く,私はそれらの方々を「いただきます。」症候群と勝手に診断しています。ですから,学生には無用な「いただきます。」は,頭悪そうだから使わないようにと,愛情あふれる助言をしている次第です。
ちょうど今は大学の中間発表の準備期間です。うっかりすると「~発表させていただきます。」なんてことを言いかねません。あながち間違ってはいませんが,この場合,スッキリと「~発表いたします。」でしょう。
そのうち「このノイズ処理には,***フィルタをかけさせていただきました。」と言ってしまうこともなんとなく想像できます。誰も,あんたがそのフィルタを使うことに許可がいるとは思ってません!
「いただきます。」はたいへんな中毒性があり,それを言っている自分に酔っている様子さえ見受けられます。私って丁寧な言葉遣いできてるでしょって。
では,どんな時に「いただきます。」を使うかといえば,相手に許可を求めるときの一択ではないでしょうか。
たとえば「後ほど,お電話させていただきますがよろしいでしょうか。」。
電話は相手に時間と労力の負荷を与えますから,一応許可を請います。一方で,メールくらいなら「メールいたします。」。電話ほど相手に負荷を与えませんから,許可を求めるほどではないと判断します。
そのへんのしきい値は人それぞれでしょうが,よくある「紹介させていただきます。」ってのはへりくだりすぎと言わざるを得ません。その場で「ダメ~」って言われたらどうするのでしょうね。
いずれ「みなさまの許可をいただき、わたくしがいただきますをさせていただきます!いただだきまーす!」なんてのも聞く機会があるかもしれません。
これは録音したいな。